昨夜は鳥取県出身のTNさん(25)に案内され、
「ひめゆり」を上映してくれる那覇・桜坂劇場の偵察を兼ねて
劇場周辺の盛り場界隈に繰り出した。
そして、体験したことのない不思議なバーに行った。
おかげさまで、新鮮な空気を吸い、
今日は朝から仕事がよくはかどっている。
ありがとう。
TNさんは、4年前に沖縄に移住してきた。
Coccoさんのファンで、ゴミゼロにも参加した。
彼女の夢は、沖縄の染め物、紅型(びんがた)の作家になること。
いま、伝統的な技法と道具を守る紅型工房で修行中。
そうした工房は、沖縄県内でも数少なくなったとういう。
沖縄の伝統工芸の経営は厳しい。
TNさんの仕事は朝9時から夕方6時まで、
月曜から土曜日まで休みなく働いているが、
彼女が一ヶ月にもらう給料は
○万円という。
食事は工房で出してくれるものの、
アパートの家賃すらまかなえない。
「勉強のため」と自らに言い聞かせ、
親から仕送りをしてもらいながら、日々研鑽に励んでいる。
もちろん、迷い悩みも多い。
いつまで続けて行けるのだろうか・・・、
果して自分はこの仕事に向いているのだろうか・・・、
早く成果を出さないと・・・。
そんな煩悶が、ようやく最近になって、振り切れつつあるという。
TNさんの良いところは、
自分自身の考え方をしっかり持っていること。
私は沖縄へ来てすぐ、ひめゆりの塔に行きました。
語り部の元女学生の方の話を聴き、
実際にあったこと、記述などを見て
涙が止まりませんでした…。
実際にこの沖縄の地で現実にあったこと、
語って下さった方々の痛みと強さ、
この痛みを知らずに、沖縄にいて工芸を学ぶのは
失礼だと思ったし、礼儀だろうと思いがあったからです。
実際に紅型染めの歴史も、戦後一時途絶えたものを
偉大なる先生方が血の滲む想いで復興されたのを知っていたので…。
TNさんの学んでいる染物、紅型(びんがた)は
沖縄戦後に、米軍の銃弾の薬きょうなどを利用して道具を作るなど
TNさんの言うとおり、血の滲むようなプロセスを経て
復興を遂げた。
私は、家族で社会問題について話す事が多く、
戦争体験した祖母から話を聞いたりなど、
考えるという環境には恵まれていたのかもしれません。
沖縄へ来る人の中には、メディアの影響で
「観光地沖縄」のイメージが強調され、
激戦地だった沖縄を知らずに過ごしてしまう人も
多いみたいです。
やっぱり、わざわざ辛い事を見るのは痛いし、見たくない。
でも、風化して、すべて過去の事として、
その事に対して知らない、知ろうとしない事は
一番いけないことだと私は思います。
個人の意識の問題かもしれないけれど、
過去にあった事を過去のものとして背を向けず、
受け止めて次に伝えるという義務が、
私たち若い世代にはあると思う。
TNさんが連れて行ってくれた那覇・桜坂の裏町のバーは、
今にもコンクリにヒビが入りそうな古いアパートの3階。
屋根裏倉庫の趣きの、暗い小さな空間だった。
オーナーの自称「アル中ハイマー」さんが、
最近ミクシー経由で入手したという「おっぱいの歌」で
迎えてくれた。
ユーモアたっぷりの楽しい替え歌だった。
つづいて披露してくれたのが自作の詩。
911をきっかけにイラクで繰り広げられている
イラクの人々に対する虐待と、
その現実を知らずに米国に加担する
私たち日本人の悲しさと矛盾を
短い言葉でつづっていいる。
すばらしい朗読だった。
TNさんの言葉。
知らない事(無知)はいけないと思うけど、
知らせようとしない教育とか、メディアとかにも疑問。
でも、無知はだめというのは簡単だけど、
じゃあそれに対してどうするのか、
どうしたらより多くの人に知ってもらえるのか、
考えあって、話し合って、
具体的に動く事が大切なんじゃないかと思う。
戦争から半世紀も経って、益々学びにくいけど…
私が親になった時、伝えていきたいし、一緒に考えていきたい。
TNさんは、厳しい職人工房の環境にもめげず、
沖縄で色々なことを吸収している。
考えている。
沖縄にいて地元の新聞を読んでいると
毎日が「アメとムチ」。
おいしいアメ(優遇政策)をチラつかせられたかと思うと
翌日には冷たく突き放される。
そんな言論の中を、私たちは生きている。
アメとムチとの間を行き来し、
自らの言論の足場を失いつつある沖縄のメディア。
TNさんの実感では、沖縄の人々はいわば
「言論のジェットコースター」に乗せられている。
そして感覚が麻痺してしまう。
彼女の救いは、工房の先生が尊敬できる人だということだろう。
今の世の中、「尊敬できる大人」が絶滅危惧種となっている。
そんな人に出会えただけでも、
生きる勇気が湧くというものだ。
たいへんだろうけど、
まずは自分の職を確立することも大切。
学べることを、とことん学びながら、
同時に、この社会をよくするためのことを
考えて行きましょう。
ひめゆりの映画で語って下さった
元女学生の方々の勇気と想いと願いが、
一人でも多くの若い人に伝わるよう、考えるよう、
私のできることから一つずつしていきたいと思います。
ありがとう。
映画のチラシができたとき、
配るのを手伝ってくれるっていう。
それだけでも、大いに助かります。