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女子高生の書き込みが発端だった「長岡アジア映画祭」

生まれて初めて、新幹線の「グリーン車」なるものに乗った。
あの、芸能人や野球選手、会社の重役たちが乗る車両だ。
新潟の長岡アジア映画祭に招かれ、チケットが送られてきたのだった。
この映画祭、てっきり行政の肝いりかと思って出かけて行ったら、
驚いたことに、完全に市民たちのボランティアによる手作りの映画祭だった。
行政からの協力は、会場を貸しているだけという。


そんな素敵な映画祭に、僕ごときが行くにあたり
グリーン車のチケットをいただくのはもったいない・・・。
そう申し上げたら、実行委員のIさんが
「昔、ご高名な評論家の先生を招いたとき、グリーン車をと言われ、学習したのです」
という。
でも、僕とその先生では、格が違います・・・・。


  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~


長岡アジア映画祭は、アジア各国の最新のすぐれた映画25作品を
集めて上映していた。
これだけまとまった形で、スクリーンでアジアの秀作映画を観れる場は
数少ないと思う。
たくさんのお客さんで賑わっていた。


23日は、ゲストとして、僕のほかに
「酒井家のしあわせ」の監督、呉美保さんと、主演の森田直幸君が参加。
「酒井家のしあわせ」は、家族の日常をまるで覗き見するような感覚で
切なくユーモラスに描いている力作だった。
29歳の呉監督、すごいなぁ。


  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~


ところで、数々のアジアの名作の中で、なぜ「ひめゆり」を上映することにしたのか、
僕はかねてから不思議だったので、実行委員長の菅野さんに尋ねてみた。
すると、驚いたことに、きっかけは女子高生の掲示板への書き込みだったという。


    私(菅野さん)が「ひめゆり」という作品を知ったのは2月か3月頃に、
    新潟のミニシアター、シネウインドのHPの掲示板にて
    沖縄に修学旅行に行った女子高生の書き込みからでした。
    「ひめゆり資料館に行きとても興味を覚えました、
    『ひめゆり』という映画があると知ったので上映してほしい」
    というもので
    それで調べて東京に住んでる実行委員に観ていただき、
    感想を聞き、上映をお願いした次第です。


招待のきっかけが、若い女子高生の書き込みだったことを知り、
びっくりもし、嬉しくもあった。


  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~  ◇  ~


長岡は、地震被害のあった柏崎・刈羽とも近く、
実行委員の中には家屋が全半壊したという人も何人かいらした。
「つらいけど、これだけ壊れちゃうと、かえって笑っちゃうんだよね。
これまでボケていた親父が地震をきっかけに意識がしっかりしたりして、
どんよりとして家族の空気が、風通しよくなった」
そんなたくましい声を聞いた。


一方で、2004年10月の中越地震で山古志村から移住せざるを得なかった人たちの
心のケアに取り組んでいる女性たちもいた。
地震⇒破壊⇒移住という苦難はたくましく乗り越えても、
その後、じわじわと心の中に広がってくる心的外傷。
彼女たちが、「ひめゆり」を励ましの映画として受け止めてくれたことが
僕にとってはとても光栄なことだった。


奥ゆかしい長岡。
とても一度では理解できないことが多い。
また行ってみたい。


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2007年09月24日 15:15に投稿されたエントリーのページです。

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