上田の上映会から戻った。
お彼岸のためか、長野新幹線が超満員で、
自由席は軽井沢まで座れず、通勤電車状態だった。
さて、オランダ・ロッテルダムでの、カメラジャパン映画祭のつづき。
20日16時半からは、「Untold History--語られて来なかった歴史」と題して、
パネルディスカッション。
前述のKees HIN監督、Peter SLORSのほか、
ライデン大学日本語学科のEithan Mark、Kiri Paramore両先生も参加。
「日本でなぜ最近、第二次世界大戦を扱ったドキュメンタリー作品が
に若い監督の手によって作られているのか」、というテーマで話して欲しいと頼まれ、
僕から話を始めた。
さまざまな話が出たが、Kees HIN監督の話が印象的だった。
「オランダ人が、ナチにひどい目にあったとか、日本人に虐待されたとか、
そういう被害の側面だけを語るのは未来がない。
なぜ、人々はナチズムに走ったか、なぜ日本兵は残虐行為を行ったか、
そのプロセスをきちんと探っていかないと、未来が見えない」
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20日の夜8時からは、いよいよ『HIMEYURI(ひめゆり)』の上映。
3日前に「ほぼ完成版」が出来上がったばかりの、初の英語版上映。
オランダのお客さんたちは、2時間10分、途中退席することも眠ることもなく、
じっとスクリーンに見入ってくれた。
上映が終わって拍手が起こったときは、ほんとうにほっとした。
上映後の質疑応答。
まず、初老の女性が声を上げた。
「この映画、一回だけの上映なんてもったいなさすぎる」
女優をしているという若い女性、
「休みだったので何気なく映画祭に来て、ぐうぜんHIMEYURIを観た。
英語は得意な方じゃないけれど、意味は十分伝わった。
最初はinformation(情報)を与えられているという感じだったが、
ある時点から突然、自分が、画面の女性たちと一緒に
戦場の世界を旅するようになった。
ドキュメンタリーだったのが、途中から、まるで劇映画のように感じられた。
登場する女性たちが、泣いたり喚いたりせず、他者を非難したり責めたりしない。
その姿が心に刻まれた」
Kees HIN監督、
「構成(structure)がすばらしい。
沖縄の人、米軍、日本軍、それぞれの立場から
多面的にあの戦争を体験することができる。
しかも、当時の軍部や天皇への批判精神もしっかりしている。
最後の洞窟で話していた女性(注、宮良さんのこと)の言葉に
すべてが集約していると思った。
何でもっと早く英語版を作ってくれなかったの?」
ということで、字幕スーパーで紡いだ英語版だが、
国境を越えてきちんと伝わることは確認できた。
映画祭に招待してくれたDirectorのAlex Oostさん、
通訳をしてくれたBert Scholtesさんをはじめ、
関係者の皆さん、ありがとうございました。