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2009年4月 アーカイブ

2009年4月18日

入稿 フィンランドの本

ちぴぴさん
メールありがとう。
広島の母校の同窓会報に『ひめゆり』の紹介記事を
載せてくださったんですね。
ちぴぴさんのメールに
  「孤立しないように、光を見失わないように、
   遠くても繋がっていよう」
とありました。
ほんとうにそうありたいものです。


すぐに返事できなかったけど、
ようやく今日、3年来の念願だったフィンランドの本を
印刷所に入稿できました。
僕に光を与えてくれてきたフィンランドのふたりの写真家が、
15年にわたって求めて撮り続けてきた
人と木の物語です。
人間と自然、生と死、過去と未来、戦争と平和、
この本にはその全てが、詩の言葉と幻想的な写真で
つづられていると思います。
きっと、ちぴぴさんの心にも、届く本になると信じています。
そう信じてがんばってきました。
うん、きっと。


エイシアのHPに少し紹介を載せていますので、観てみてください。
http://www.asia-documentary.com/

http://www.asia-documentary.com/finland/index.html


詳しくは、また体力が快復してから報告しますね。

柴田

フィンランド・森の精霊と旅をする(Tree People)


2009年4月21日

災い転じて学校上映助成金となる 松江の試み

映画『ひめゆり』を観る会事務局の富士です。
嬉しい報告があります。

昨年7月に島根県の松江でひめゆりの上映をしていただきました。
観客792名で、この時点での『ひめゆり』の1日の上映観客数としては最高の人数でした。
しかし一番観てほしかった、中学生、高校生は14名しか来てくれませんでした。
上映会は成功でしたが、若い人への呼びかけの面では失敗に終わりました。

自主上映会、そして映画館での上映では、中学生・高校性に来てほしい想いで
実行委員会、劇場の方と知恵を絞って呼びかけをするのですが結果は...
「いい、映画だったけど、もっと若い人にこそ観てもらいたいたかったね~」

上映会から4ヶ月後、11月、松江の実行委員会はひとつの決断をしました。

黒字約40万円を使って県内の高校での上映のための助成金を
作ることを考案しました。
ひめゆりを上映したいけれど予算がない学校の
上映料金を代わりに払うという仕組みです。

松江実行委員会の皆さんは助成金を受けたことがあったとしても
助成金をつくったことはありませんから
助成金の案内文を一から実行委員会で議論しながら作り上げていきました。

1月になって県内の公立・私立の高校49校に助成金の案内を送付しました。
信用もない、映画の上映実行委員会からの手紙を読んで本当に応募があるのだろうか?
不安が的中して、締切の3月になっても応募がありません。

締切は3月の末
3月30日と3月31日に、続けて応募があったときは、よっぽど嬉しかったのでしょう。
実行委員長のT氏から電話がありました。

4月になり正式に助成をする学校が決まりました。
今朝決まった学校数校に電話をして先生とおはなしをしました。

1校は山の中にある全生徒数50名の小さな学校です。
きっと助成金がなかったら映画『ひめゆり』とは出会っていなかった
学校だと思います。

田舎の小さな学校で映画を上映をすることは経済的に難しく
上映されることがほとんどありません。今回の試みは若い人たちに
どのようにして映画を観る機会を作っていくことができるかという
ある種映画界全体が持っている構造的な問題に対しての一つの
シンプルな答えだと思います。

松江方式の応用で、映画館に若い人に来てもらうために出来ることはないかしら?
山村の小さな集落での映画上映会もできるかもしれないなあ。などと
いろいろな可能性が秘められていると思います。

今日は興奮して寝られないかもしれません。
「いい、映画だったけど、もっと若い人にこそ観てもらいたいたかったね~」
この嘆きが松江に限っては過去のものとなろうとしている訳ですから。

松江上映会7月上映:
http://www.himeyuri.info/kantoku_blog/2008/07/matsue-hoshiki.html

2009年4月24日

フィンランドの本 いよいよ印刷へ



時折お伝えしてきた、フィンランドの本(「フィンランド・森の精霊と旅をする」)。
いよいよ印刷の段階まできた。







IMG_2575.jpg精興社 朝霞工場へ
(4月22~23日)

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生まれて初めて、こうした印刷に立ち会う。

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印刷機の機長の山中さん

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右は色彩調整を責任もってやってくださった加藤さん。コーティングをしていない紙にきちんとした色を出すのはとても難しく、そのために画像データを作ってくださった。

真ん中は、デザイナーの市川さん。映画『ひめゆり』のポスター・パンフレット製作以来、ずっと僕たちの製作を支えてきてくれている。

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編集の大西さん。僕の大学時代からの友人。
僕にNGをどんどん出しまくってくれる貴重な存在。
厳しい!

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これまで校正段階で何度も色の補正は重ねてきたが・・・・

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印刷は「なまもの」。その日の気温や湿度にも左右される。
何度もためし刷りをしながら、色彩の微調整を重ねていく。

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特に、今回は、フィンランドの原書と同じく、コーティングをしていない特殊な紙に印刷をする。
この紙は色の出具合が難しく、職人技が必要だ。

フィンランドの作者、市川さん、加藤さん、山中さん、それぞれの段階でみんなが工夫を重ねてきた。きょうはその最終工程だ。

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「速乾くん」。
乾くと色の感じが変わるため、すぐに乾かしてくれる「速乾くん」という機械も部分的に使った。

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それでも、1日ほど経ってインクが落ち着いてきたときの色彩までイメージしながら、印刷をするのは容易ではない。
紙には「墨⇒藍⇒赤⇒黄」(スミ→シアン→マゼンタ→イエロー)の順番でインクが乗るため、印刷があがった紙からは青いインクほど飛んでしまう。つまり、1日経つと青みが薄れ、全体にやや赤みがかる。
そのことを計算に入れないとならない。

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天井を走る白いパイプには、墨・藍・赤・黄(スミ・シアン・マゼンタ・イエロー)のインクが流れる。
煙は加湿器からのもの。

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カバーの裏側。

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精興社の営業の藤巻さん。
「転ばぬ先の杖」をたくさん持っている人。
この人がいなかったら、僕たちの作業は暗礁に乗り上げていただろう。
「精霊の助けを借りれば何とかなるでしょう」とユーモアたっぷり、飄々と導いてくれる。

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印刷の刷版となるアルミプレート。

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精興社は絵本の分野にも定評があり、数々の名作絵本を印刷してきた。

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紙の裁断所。

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葉の緑、幹の質感、青空と草原とのコントラスト・・・・・表現がとても難しい。

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空の雲の光と影の階調も難しい。

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ルーペを使って印刷面を確認する加藤さん。

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ルーペを通すと、印刷のドットが見える。ドットひとつひとつの色を確認するのだ。

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そして微妙なインクの出具合を指示する。

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この部分は、赤を少し押さえることに。

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山中さんは、長年の経験の中で、「単に赤を押さえるという場合も、そのために青・黄なども微妙に匙加減をする」という。

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だんだんと、フィンランドの写真家たちの望む色に近づいてきた。

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紙を送り出す。ヤレ通し(本紙で印刷をする前にインキ量を調整するための紙)と本紙の境目をチェック。

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こうして、印刷機を占領すること2日間。

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納得の行くまで時間をかけて、印刷をさせてくれた。
「こんなに丁寧に印刷してくれる印刷所はない」とデザイナーの市川さんは言う。
フィンランドの作者たちの思いを反映すべく、皆で力を合わせた。

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