3年ごしの夢だった本、『フィンランド・森の精霊と旅をする』
いよいよ本日発売開始となった。
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2年前まで自分が出版を行うことはまったくイメージしていなかった。
それがなぜ?
きっかけは、フィンランドの取材中に出会った一冊の本だった。
2006年から2007年にかけて僕は1年にわたってフィンランドを訪ね、
人と自然の関係について取材をする機会があったのだが、
ヘルシンキ到着の翌日、書店でたまたま見つけたのが
「Tree People」――日本語題は『フィンランド・森の精霊と旅をする』と訳した、
幻想的な写真をふんだんに使ってフィンランド人の自然観を描いた書物だった。
あまりに力強い本だったため、
フィンランド滞在の1年間、
ほぼ毎日のように隅から隅まで眺め、読んでいた。
やがて、この本の著者とも交流を重ね、
それまで計画していた撮影計画も抜本的に改め、
新たな取材の方向を模索していった。
そうして完成した番組が、NHKスペシャル
「世界里山紀行・フィンランド・森・妖精との対話」。
番組制作中から、この本を日本の人たちに紹介できないかと、
幾つかの大手出版社に働きかけをしたのだが、
大型本で全頁カラーの書物。
ほんとうに売れないんだそうだ、こういう本は・・・。
でも何とか日本語版を出したい・・・・。
結局、自らの会社――小さな映像製作会社=プロダクション・エイシアで出版し、
納得の行く翻訳と編集をする決断をした。
大型本のままではやはり多くの人の手に伝えるのは難しいと判断し、
四六版横サイズに変更。
フリーで編集をしている大学時代からの友人や、
映画製作を通して出会ったデザイナーにスタッフに加わってもらい、再編集。
フィンランドの著者たちとも頻繁に連絡を取り合いながら、
オリジナル本の本質を凝縮した新たな書物づくりを目指した。
こうして完成した書物、『フィンランド・森の精霊と旅をする』。
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先週末に印刷工場から納品され、一昨日、「取次」に納めた。
「取次」とは、いわば本の問屋さん。
これから読者の方々のもとへと送られていくと思うと、とても楽しみだ。
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出版は本当に初めて。
最初は「取次」という存在のことも知らず、
友人に教えてもらったり、ネットで調べたり。
素人の僕にとっては、勉強する中で、
トーハン、日販という巨大な取次会社の存在にも驚いたりもした。
でも実績のない僕たちが、こうした大手の取次店と契約をしてもらえる可能性は
ほぼ「ゼロ」だということもわかってきた。
そんな中、JRC(人文・社会科学書流通センター)という
後発の小さな取次の存在を知り、
社長の後藤さんとお会いして話しをするなかで
「この人と一緒に仕事をしたい」と思い、契約をさせていただくことにした。
後藤さんの考え方の根っこにあるのは、
小さくて後発の取次と版元が、ともに共存共栄をめざしていく、
そのためには書店に対して返品制限を設けないで気楽に書籍を置いてもらうようにする、
ただし見計らい配本のように大量にばらまくのではなく
書店の手ごたえを量りながら納品をしていく・・・。
正直に言うと、この本が配本してもらえるのは、
首都圏の大型書店だけだろう。
その他の多くの書店へは、
書店さんが「よし、扱ってみよう」と決断して注文してくれない限り
流れて行かないと思う。
たぶん「アマゾン」にはいつか表示されるはず。
bk1には表示されるようになった。
限界はある。
でも、この本を買いたいと思った人が、全国どこの書店からでも、
注文しさえすれば、入手できる。
それだけでも、大きな進歩だ。
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もうひとつ、図書館への流通も大事にしたいと考えた。
発行する本の公共的な価値については自信があるし、
まずは図書館で多くの人の目に触れられる機会も得たいと思った。
そこで図書館流通センターにも連絡をし、
直接の取引をしていただくことにした。
皆さんが、地元の図書館にリクエストをしてもらえれば、
きっと手に取ることができるはずだ。
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さあ、果たしてこれからどうなって行くのだろう?
ここまで来るまでの間に、
「無謀だ!」「やめた方がいい」
と心配してくれる友人たちもいた。
不安もある。
だけど、「世に出せる」という喜びがそれをはるかに上回っている。
良いものは時間をかければ絶対に伝わっていく、
そう信じているし、そのために必要な努力もしていくつもりだ。
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先日まで、フィンランドから著者の2人の女性写真家が
徳島県の山村に来ていた。
そのときの報告も、いつかしたいと思っている。