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2010年11月 アーカイブ

2010年11月 3日

「世界里山紀行・フィンランド」がエストニアで受賞

2006~2007年にかけて制作した
NHKスペシャル「世界里山紀行・フィンランド・森・妖精との対話」が、
エストニアで開かれたマッツァル国際ネイチャーフィルムフェスティバル(2010年9月)で
受賞したという知らせが届いた。

Best Photography in category "Man and Nature"
(CAMERA: Koichi Nagura/ Shinichiro Kawaguchi/ Masanori Sawahataに対して)

http://www.matsalufilm.ee/festival/auhinnad_eng.html


フィンランドに1年にわたって滞在し、多くの方々のお世話になって制作したこの番組。
いまも世界各地で評価されていることは、とても嬉しいことだ。

2010年11月23日

地域力 フォーラム

農文協、かがり火、三人委員会哲学塾全国ネットワークが主催した
「第2回 地域力 フォーラム」
に行ってきた。
地域社会の活力ある暮らしのあり方を探るシンポジウム。
「自給の力」「場所の力」「農の力」をキーワードに、
内山節氏ほか、日本全国の地域の現場で活動している人たちがパネラーとなり
会場には500人ほどが集まった。


多くのヒントが散りばめられた有意義な議論だったと思う。
中でも、2人の話が、僕の胸の中に騒ぎを起こしている。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


ひとつは、「自給の力」というテーマで話された 歌野敬さん。
   (長崎県新上五島町・自給百姓・「上五島新聞」代表)
東京でのサラリーマン生活を経て、
五島列島で、衣食住の限りない自給自足をめざして暮らしを紡いでいる。
年収100万で十分に成り立つ豊かな生活。
歌野さんが
「最低収入を保障するという政策ではなく、
 "生活困窮者で、希望する人には、菜園つきの住宅を支給する"
 という政策が有効なのではないか。
 いわばソビエト崩壊時のダーチャ政策を積極的に見直そう」
という提言。
都市の中だけで雇用や貧困を考えていても限界があるわけで、
実際に自給自足を実行している歌野さんの言葉だけに
重みがあると思った。


     ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~ 


もうひとつは、新潟で「地域の茶の間」を主催している
河田珪子さんの話。
  (新潟市・常設型地域の茶の間「うちの実家」代表)
お年寄りも子供も、障害をもった人も、誰でも自由に出入りできる
ゆるやかな地域の「居場所」づくりを、
一切の補助金なしで営んでいる。
僕は「補助金なし」という姿勢と、
それを実現できる知恵、お人柄、配慮、自信と確信に感銘を受けた。
新潟に里帰りする前に、大阪で25年間養護老人ホームで働いていた
という河田さん。
「制度にはスキマがつきもので、スキマは誰かが埋めないとならない。
 転んでいる人がいたら、誰かが立ち止まらないとならない」
と、自ら立ち止まる。
次の夢は、
「今の病院は、すぐに患者を退院させる。
 あまりに短い期間で退院させ、患者は戸惑うばかり。
 そんな人たちが数日間、
 普通の生活に戻っていけるための居場所づくりをしたい」
のだという。
実際、すでに自分の家にそんな人を泊めているらしい。
 「転んでいる人がいたら、誰かが立ち止まる」
そんな当たり前のことを、きちんとやり続けることは
現代社会では、悲しいことに、並大変ではない。
芯の強い女性の魅力を感じた。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


僕自身は、去年から、山村地域の取材を続けている。
昨年は、山形県飯豊町。
今年は、3月から北海道の遠軽町と幕別町に家を借り、
在来種の豆を栽培する農家を通して、
開拓の歴史を、農のあり方を見つめている。
8月からは、九州山地、宮崎県椎葉村で
焼畑農耕をずっと追っている。
地域のありようと、そこから見えてくる未来について、
もっともっと考えて行きたい。

2010年11月30日

「森聞き」 プレス試写 始まる

新作ドキュメンタリー映画「森聞き」の
最初のプレス試写を、
11月25日、30日と2回にわたって行った。
今回は、月刊誌などのライター・編集者や
映画を応援してくださりそうな方々への試写会。
映画の一般公開が3月なので、
2月にも、新聞関係の方々を中心に試写会を行う予定だ。


上映が終わってから、
来てくださった皆さんと近くの喫茶店で、ざっくばらんにおしゃべりをした。
   「この映画は、観るだけでは収まらない、
    観終わったら、誰かと話したくなる」

と言ってくださる方が多い。
マスコミ試写会としては、僕たちもこれまで体験したことのないような
あたたかい不思議な展開になり、
互いにしみじみと人生を語り合ってから、家路についた。


大阪からわざわざ駆けつけてくださった
村岡正司さん (ウォロ編集委員)からいただいた感想をご紹介したい。


        「人間が生きることの品格」のようなものがよく現れている作品です。
      これは監督やプロデューサーの人柄が、映画のなかに織り込まれて
      いるからでしょう。加えて映像の美しさ。日本の原風景を撮っていながら、
      海外の人が観ても、自分の故郷に重ね合わせることができる、
      そんな広がりを秘めた映像です。
        またBGMが効果的。作品をクラシック音楽にたとえると、 「ひめゆり」は
      ベートーヴェン、「森聞き」はモーツァルトだともいえるでしょうか。

        高校生たちと老齢者である森の名人。真っ先に浮かぶテーマは世代間交流、
      エイジレスという切り口ですね。これは誰にもわかりやすいものだし、
      実際観客のターゲットを絞るうえで大切なものです。
        一方で、この出会いは、作為的に、ひとつの目的を持ってお膳立てされた
      ものだといえます。自然と生まれたものではない。そこに展開される「物語」は、
      ドキュメンタリーでありながら、同時にフィクションでもあるのです。
      そこにも注目したい。それこそが映画のもつ「力」、監督の世界観ともいえるからです。


ありがとうございました。
皆さん、ぜひ上映に力を貸してください。
どうぞよろしくお願いします。

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