この週末は、うれしいことが続いた。
これまで時間をかけて準備してきた作品たちの姿が
ようやく見えてきた。
ひとつは、
「ラヤトン 無限の森へ ~ フィンランド・アカペラの響き」
ラヤトン(Rajaton)は、
映画「森聞き」でも、
NHK世界里山紀行「フィンランド・森とともに生きる」でも
透きとおる歌声でテーマ曲を奏でてくれた
フィンランドのアカペラ・ボーカルのグループ。
2007年に、NHKの上の番組で音楽を使わせてもらって以来、
いつか彼らのCDを日本で出したいと願い続けてきた。
結局、「大手がやってくれないなら、僕らがやる」
という、いつもの精神で、
エイシアで出すことにした。
僕は、単に「音」という情報を載せたCDではなく、
その世界観を広げるような絵本とセットにして
いつまでも手元に置いておきたい宝物として
世に出したかった。
単に音楽を聴きたいだけなら、
今やネットからダウンロードすれば済む。
僕が欲しかったのは、
いつも自分の身辺に置き、
心が求めたときに手にとって眺め、耳で聴き、
自分自身を確かめられるようなCD+絵本。
だから手触りも、絵筆のタッチも大切だ。
翻訳の上山美保子さん、
絵の三田圭介さん、
そしてアートディレクションの小野太作さんという
若くすばらしいスタッフに恵まれ、
製作を進めた。
いつものように、富士海君が
ダメな僕をそっとコントロールしてくれる。
土曜日に、最初の色校正が、印刷を担当してくれる精興社から届いた。
その見事な印刷の仕上がりに、
僕は飛び上がるくらい嬉しかった。
このままトラブルがなければ、来年1月下旬に完成する。
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もうひとつは、
NHKハイビジョン特集「北海道・豆と開拓者たちの物語」。
色とりどりの美しい「豆」の在来種を手がかりに、
北海道の開拓史を見つめ直そうという企画。
歴史の表舞台には出てこない、
女性たちの視点もまじえて庶民史を見るドキュメンタリーで、
原企画は、NHKエデュケーショナルで「きょうの料理」を担当している
矢内真由美さん(十勝出身)。
そして「チベット・死者の書」や「エンデの遺言」など
個性的で魅力的な番組を作りつづけた河邑厚徳さんが制作統括。
僕らは、3月から、遠軽町(紋別地方)と幕別町(十勝地方)に
1軒ずつ家を借り、
長期の住み込みロケを行ってきた。
やはり、若い力に助けられた。
撮影は、元エイシアのスタッフ、川口慎一郎君(30)。
何もとりたてて事件の起こらない淡々とした時間の流れを、
川口君らしく、光と余白をうまく扱いながら、切り取っている。
そして、この作品からエイシアに加わってくれた堀部拓磨君(35)。
4月から11月まで、北海道からほとんど戻ることなく、
村の人たちと交流を深めながら、取材を続けてくれた。
堀部君ひとりしか現場にいないことも多く、
川口君から特訓を受けて堀部君がカメラをまわした場面も少なくない。
とてもセンスがある。
熱意もある。
堀部君は、近い将来、力あるディレクターに育っていくことだろう。
(「ラヤトン」のアートディレクションの小野太作君を紹介してくれたのも
堀部君だった)
「北海道・豆と開拓者たちの物語」は
いま映像の編集がほぼ確定した段階で、
来年1月30日(日)22時50分から、NHK BShiで放送の予定。
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生まれ出そうな作品たち。
生まれ出そうな若い才能たち。
次の時代を切り拓いて行ってほしい。
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