ようやく僕にも お正月がきた ――
きょうはそんな気持ちになれた。
僕は、いくつかの仕事を並行して行っているのだが、
「北海道 豆」の番組を1月10日に完成させた直後から、
ずっと家にこもり、24時間体制で、
ひとつのプロジェクトの映像の編集(「あら編」という)をしていた。
今年7月に完成させる予定のNHKのドキュメンタリー。
内容は、映画「森聞き」で出会った宮崎県椎葉村の焼畑の営みを
その後もずっと記録しつづけているのだ。
この製作が僕にとってはものすごくプレッシャーで、
まったく新たな視点で焼畑を見つめようとする分、とても難しく、
昨年8月以来、ずっと闇を手探りで歩く状態だった。
これまで撮ってきた150時間以上の映像を構成していく中で
ようやく、きょう、「見えた!」と思えた。
もちろん取材は終わっていないが、
霧の中にかすかに道が見えたと思えたのだ。
長期取材でドキュメンタリーをつくるのは、
高い高い山に登るようなもの。
ときには、遠くにあるはずの頂上が見えないまま、
山を登り始める。
どこに道があるかもわからない。
「きっとここなら登れるだろう」と行ってみたら、
すぐに崖だったりする。
1月30日(今度の日曜日)に放送する
「北海道 豆と開拓者たちの物語」も
長い登山だった。
堀部が取材記に書いているように、
僕にとっては、主人公の服部さんが「豆をまく」という日を迎えるまでが
思い悩む日々だった。
それまでの間に、取材者である僕らは、
「発見のための種」「継続観察していくための種」を
きちんと播いておかなければならない。
そして、いつも思うのだが、インタビューって本当に難しい。
いつ、どこで、どのようなシチュエーションで、どのような話を聞くのか。
その表情や背景は、映像に決定的なものとなる。
長い時間のなかで、ふさわしい状況を選び、判断しなければならない。
昨年8月から続いてきた大きなプレッシャーを
少し乗り越えたかなと思えた今日。
今週、残りの日々は、のんびり過ごしたい。