畑作委員会 ~ 山形・中山中学校にて
先週の木曜日、山形県中山町の中山中学校で
「ひめゆり」の上映があり、訪問させていただいた。
企画した五十嵐晋先生は、
3年前に「ひめゆり」を観たとき、
修学旅行の行き先を、それまでの東京から沖縄に変えることを決意。
2年前に中学1年を受け持って以来、
ずっと地道に学習に取り組んできた。
驚いたのは、「畑作委員会」という取り組み。
きっかけは、生徒たちが1年生のとき、
食糧難時代を体験してもらうために、
カボチャとイモを校内で栽培したこと。
――穫れたものは、山形県から予科練に行っていた
体験者を学校に招き、ともに食したという。
それだけで終わらせるのはもったいないということで、
2年次に、各クラスごと、生徒たちで「畑作委員会」を作って、
何を栽培するかを議論し、自主的に農業をしてもらうことにした。
種を買うために、まず各家庭の親たちから1000円ずつ出資してもらった。
1クラス28人学級なので、各クラスの資本金はそれぞれ28000円。
畑の面積は、1クラス、10メートル×15メートル。
どの組も、10品目以上、作ったようだ。
僕が生徒たちに聞いたところ、
「秘伝豆」という在来種の大豆を作っているクラスもあった。
作物を収穫すると、生徒たちは、自主的に販売に出かける。
行商だ。
五十嵐先生は、当初
「販売しても28000円の元手を回収することは難しいだろう。
どうやって出資者にお詫びをするかを学んでもらおう」
と思っていたらしい。
しかし、天候異変によってメロンやジャガイモを全滅させたクラスもあったが、
どのクラスも販売利益を上げた。
出資者(親)たちに3%の利潤をつけて出資金を返しても、
まだ余剰金が出た。
いまは、その余剰金をどう使うか、各クラスごとに議論しているという。
そうした土と向き合い、社会と向き合うベースがあり、
さらにユニークなキャリア学習
(たとえばバーテンダーを招いての職業講話)や
修学旅行の事前学習の積み重ねがあったからだろう、
「ひめゆり」上映後、感性豊かな感想や質問が相次いだことに驚いた。
中学生って凄い!!
中山中学校では、卒業後、東京に行ってしまう生徒もいるが、
地元に残る子供たちも増えてきているという。
今から農業をすることを決めている生徒もいた。
楽しそうに作物のことを語っていた。
ウジ虫を見たことのある生徒も全体の3分の1はいた。
兵隊たちの傷を食うウジ虫の証言は、
僕たち以上にリアルに受け止めていた。
子供たちに多くの可能性を感じながら、
僕は帰途についた。