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フィンランド アーカイブ

2007年12月30日

エッセイストの森下美加子さんから

岡山県倉敷在住の小説家・エッセイスト、森下美加子さんから届いた便り。
忙しくてパツパツの僕の心を、ほっと暖かくしてくれるお手紙だった。
長いけど、ご本人の承諾を得て、掲載させていただく。


  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇    


念願叶って、世界里山紀行「フィンランド 森・妖精との対話」を見ることができました。
再放送の情報を教えてくださって、ありがとうございました。
おかげで一昨日は、素敵なクリスマスプレゼントをいただいたようで、
幸せな気持ちで一日を過ごすことができました。


番組は、想像以上に素晴らしかったです。
フィンランドの自然や、
そこに生息する生き物(植物も昆虫も鳥も動物たちも)、
暮らしていらっしゃる人々の心根(寡黙の内に秘められた強さやあたたかさ)などに触れることができ、
強く心を打たれました。
森に妖精が住んでいる、という発想と観念が、とにかく素敵だと感じました。


中学三年の二男も一緒に見ていたのですが、普段は寡黙な彼が、
フクロウのひなに目を細め、
お気に入りの木を抱きしめるオッリさんに、思わずクスッとほほえんだりしていました。
「あんな風に、森にお気に入りの木があるなんて、いいわね」と私が言うと、
「うん」と二男はうなずいていました。
「ああいう森に行って、お気に入りの木を探してみたいわね」と、また私が言うと、
「うん・・・でも、その木を切られたらどうするんだろう?」と二男は、ちょっと心配そうな顔をしていました。
木を叩いて「切るよ」と知らせて、木の精霊が森のどこかへ行ったとしても、
自分が友だちのように語りかけていた木が、ある日突然なくなったら、
やっぱりショックだろうな、と私も考え込んでしまいました。
それとも、木は、誰でも勝手に切っていいというわけではないのでしょうか。
森の中の木の実などは、誰でもとっていいみたいですけれど。


二男のような現代の日本の子どもは、
自然の中で暮らすということも殆ど体験したことがないですし、
ましてや、森や木や自然に対する信仰心などは、未知数なものだと思います。
けれど、様々な物を擬人化して、それらを大切に扱い、それらに愛情を注ぐ、ということなら、
日本の子も、多少なりとも体験したことがあるのではないでしょうか。


例えば、二男は、彼がまだ小学生の頃のことですけれど、
それまで家族で乗っていた車を、ほんとうに家族の一員のように感じていたようで、
新車に買いかえるとき、かなり本気で反対していました。
「あのこ、どうなるの?いなくなったらいやだ。あのこも、きっと悲しがるよ」と、
ずっと言い続けていました。
どんな時代の人間にも、どんな国の人間にも、
純粋な心を持つ人間には、
精霊のような存在を欲する心が、自然に宿っているものなのかもれませんね。


それにしても、日本の子どもたちは、やっぱり、ちょっと不幸だと思います。
先日、国際的な学習到達度調査(PISA)の結果が出ていましたが、
フィンランドの子どもは、科学的応用力が世界1位で、読解力も世界2位でした。
日本は、調査の始まった7年前こそ数学的応用力などで1位でしたが、
今回は相当(10位まで)順位を落としたみたいです。
フィンランドの子どもは、宿題もそんなに出ないからしないし、
暗記もしないけれど、読書は、よくするそうです。
読書をしているうちに、興味を持って、自然に知識を吸収するのだとか。
今回のPISAでも、「フィンランドの子どもは書いて間違っているのに、
日本の子どもは書かないで間違っていた」と指摘されています。
実際、二男に聞くと、
「そういうテストをしたとき、成績に関係ないからって、白紙で答案を出していた子が、けっこういた」
と言うので、唖然としました。
そういう国に成り下がってしまったのかと、本当に失望しました。


沖縄の教科書問題も、ショックです。
国は、どうして、そんなに現実を隠そうとするのでしょうか。
先日、南京大虐殺のときに兵隊として南京にいたという男の方たちの証言を、
テレビで見聞きしましたが、
中国人にはどんなことをしてもいいと軍から言われた、とか
毎日何十人もの人たち(女性も子どもも含めて)を銃殺した、とか、
倉庫に人をいっぱい詰め込んで蒸し焼きにした、とか、
信じられない話をしていました。
一緒にテレビを見ていた高校二年の長男も、
「そこまでは学校でも教わったことがないし、教科書でも読んだことがない」と、
ひどく驚いていました。


そういえば、ちょっと話はそれますが、
岡山で「ひめゆり」を観たという私の高校の恩師(岡山県内の名だたる高校の校長も歴任された方)が、
数週間前に手紙をくださいました。
とてもいい映画を紹介してくれてありがとう、という言葉の後に、
貴重な意見も添えてありました。(数枚の資料と共に)


1945年6月29日に岡山空襲があり、1737人(一説には7500人とも言われる)の死者が出たことは、
歴史の闇に葬られていて、今も昔も誰も話題に取り上げないし、語り継ぐ人もいない、と先生は、おっしゃいます。
当時5歳だった先生も、北九州から岡山へ疎開してきて、この空襲に遭遇したそうです。
母親とはぐれ、先生は、たった一人で戦火の中を逃げまどい、
死んでいく人たちを大勢目の当たりにしながら、命からがら逃げのび、奇跡的に助かったそうなのです。
先生のような人たちから見ると、
「被害者としての日本」「犠牲者としての一般庶民」は、
沖縄以外にも、日本中に沢山いて、
沖縄の人たちと同じように国からは軽んじられているけれど、
それらを語り継ぐ一方で、
今はあえて「加害者としての日本」についても考えたい、と思うのだそうです。


岩波新書の「アジア・太平洋戦争」を読んで愕然とした、とも先生はおっしゃっていました。
この戦争で犠牲になった日本人は約310万人(内一般市民80万人)で、
アメリカ軍は10万人。それに対して、
日本以外のアジアの戦没者は全体で1900万人以上だと記されていたそうです。
沖縄も、岡山も、その他の日本中の空襲にあった土地も、
アジアの人たちからすれば、全て敵国日本です。
「加害者」ということになってしまうのです、悲しいことですけれど。
その立場についても真剣に考えていかなくてはならない、
と先生は訴えておられました。
「アウシュビッツをはじめとする自分たちの負の遺産を究明し、
 裁き、次代に伝え続けているドイツと、えらい違いだと思うのです。
 だから、『ひめゆり』だけでなく、この立場からの作品もぜひほしい・・・などと思った次第です」と、
最後は、才能ある柴田監督へのお願いとなって、話を結んでおられました。


なかなか難しい問題ですよね。
でも、私も、少しずつでも、そういうことに目を向けていきたいと思いました。


なんだか話が暗い方へそれてしまいましたが、
フィンランドのテレビを見て、
久しぶりに学生の時に習った「野いちご」という曲を歌ってみたくなりました。
私は子どもの頃から大人になるまでエレクトーンを弾いていましたが、
そのエレクトーンも、久しぶりに弾いてみたくなりましたよ。
森の王である熊を銃で撃ち、霊を慰める、というあのお話の時に、
ずっと流れていたメロディーが、昔歌った「野いちご」と、そっくりだったのです。
調べてみたら、やっぱり、「野いちご」もフィンランド民謡でした。


私の好きな作家、阪田寛夫氏が訳詞した「野いちご」は、こんな歌です。


♪ 野いちご 赤い実だよ 木陰で みつけたよ 
  誰も 知らないのに 小鳥が 見てた
  野いちご 赤い実だよ ひとつぶ つまんだよ 
  朝つゆ 光るよ ほら こぼさぬように  ♪


素晴らしい作品に出会えて、心が洗われました。
ほんとうに、ありがとうございました。
みなさま、お元気で。
よいお年をお迎えください。                  森下美加子


  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  


森下さん、ありがとう。
加害の問題については、
ひめゆりのおばちゃんたちの中にもしっかり考えている人がいて、
いつか続編を作るときにきちんと触れるつもりです。

2009年4月18日

入稿 フィンランドの本

ちぴぴさん
メールありがとう。
広島の母校の同窓会報に『ひめゆり』の紹介記事を
載せてくださったんですね。
ちぴぴさんのメールに
  「孤立しないように、光を見失わないように、
   遠くても繋がっていよう」
とありました。
ほんとうにそうありたいものです。


すぐに返事できなかったけど、
ようやく今日、3年来の念願だったフィンランドの本を
印刷所に入稿できました。
僕に光を与えてくれてきたフィンランドのふたりの写真家が、
15年にわたって求めて撮り続けてきた
人と木の物語です。
人間と自然、生と死、過去と未来、戦争と平和、
この本にはその全てが、詩の言葉と幻想的な写真で
つづられていると思います。
きっと、ちぴぴさんの心にも、届く本になると信じています。
そう信じてがんばってきました。
うん、きっと。


エイシアのHPに少し紹介を載せていますので、観てみてください。
http://www.asia-documentary.com/

http://www.asia-documentary.com/finland/index.html


詳しくは、また体力が快復してから報告しますね。

柴田

フィンランド・森の精霊と旅をする(Tree People)


2009年4月24日

フィンランドの本 いよいよ印刷へ



時折お伝えしてきた、フィンランドの本(「フィンランド・森の精霊と旅をする」)。
いよいよ印刷の段階まできた。







IMG_2575.jpg精興社 朝霞工場へ
(4月22~23日)

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生まれて初めて、こうした印刷に立ち会う。

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印刷機の機長の山中さん

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右は色彩調整を責任もってやってくださった加藤さん。コーティングをしていない紙にきちんとした色を出すのはとても難しく、そのために画像データを作ってくださった。

真ん中は、デザイナーの市川さん。映画『ひめゆり』のポスター・パンフレット製作以来、ずっと僕たちの製作を支えてきてくれている。

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編集の大西さん。僕の大学時代からの友人。
僕にNGをどんどん出しまくってくれる貴重な存在。
厳しい!

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これまで校正段階で何度も色の補正は重ねてきたが・・・・

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印刷は「なまもの」。その日の気温や湿度にも左右される。
何度もためし刷りをしながら、色彩の微調整を重ねていく。

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特に、今回は、フィンランドの原書と同じく、コーティングをしていない特殊な紙に印刷をする。
この紙は色の出具合が難しく、職人技が必要だ。

フィンランドの作者、市川さん、加藤さん、山中さん、それぞれの段階でみんなが工夫を重ねてきた。きょうはその最終工程だ。

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「速乾くん」。
乾くと色の感じが変わるため、すぐに乾かしてくれる「速乾くん」という機械も部分的に使った。

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それでも、1日ほど経ってインクが落ち着いてきたときの色彩までイメージしながら、印刷をするのは容易ではない。
紙には「墨⇒藍⇒赤⇒黄」(スミ→シアン→マゼンタ→イエロー)の順番でインクが乗るため、印刷があがった紙からは青いインクほど飛んでしまう。つまり、1日経つと青みが薄れ、全体にやや赤みがかる。
そのことを計算に入れないとならない。

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天井を走る白いパイプには、墨・藍・赤・黄(スミ・シアン・マゼンタ・イエロー)のインクが流れる。
煙は加湿器からのもの。

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カバーの裏側。

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精興社の営業の藤巻さん。
「転ばぬ先の杖」をたくさん持っている人。
この人がいなかったら、僕たちの作業は暗礁に乗り上げていただろう。
「精霊の助けを借りれば何とかなるでしょう」とユーモアたっぷり、飄々と導いてくれる。

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印刷の刷版となるアルミプレート。

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精興社は絵本の分野にも定評があり、数々の名作絵本を印刷してきた。

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紙の裁断所。

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葉の緑、幹の質感、青空と草原とのコントラスト・・・・・表現がとても難しい。

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空の雲の光と影の階調も難しい。

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ルーペを使って印刷面を確認する加藤さん。

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ルーペを通すと、印刷のドットが見える。ドットひとつひとつの色を確認するのだ。

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そして微妙なインクの出具合を指示する。

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この部分は、赤を少し押さえることに。

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山中さんは、長年の経験の中で、「単に赤を押さえるという場合も、そのために青・黄なども微妙に匙加減をする」という。

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だんだんと、フィンランドの写真家たちの望む色に近づいてきた。

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紙を送り出す。ヤレ通し(本紙で印刷をする前にインキ量を調整するための紙)と本紙の境目をチェック。

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こうして、印刷機を占領すること2日間。

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納得の行くまで時間をかけて、印刷をさせてくれた。
「こんなに丁寧に印刷してくれる印刷所はない」とデザイナーの市川さんは言う。
フィンランドの作者たちの思いを反映すべく、皆で力を合わせた。

2009年5月13日

フィンランドの本 本日発売


3年ごしの夢だった本、『フィンランド・森の精霊と旅をする』 
いよいよ本日発売開始となった。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


2年前まで自分が出版を行うことはまったくイメージしていなかった。
それがなぜ?
きっかけは、フィンランドの取材中に出会った一冊の本だった。
2006年から2007年にかけて僕は1年にわたってフィンランドを訪ね、
人と自然の関係について取材をする機会があったのだが、
ヘルシンキ到着の翌日、書店でたまたま見つけたのが
「Tree People」――日本語題は『フィンランド・森の精霊と旅をする』と訳した、
幻想的な写真をふんだんに使ってフィンランド人の自然観を描いた書物だった。
あまりに力強い本だったため、
フィンランド滞在の1年間、
ほぼ毎日のように隅から隅まで眺め、読んでいた。
やがて、この本の著者とも交流を重ね、
それまで計画していた撮影計画も抜本的に改め、
新たな取材の方向を模索していった。
そうして完成した番組が、NHKスペシャル
「世界里山紀行・フィンランド・森・妖精との対話」。
番組制作中から、この本を日本の人たちに紹介できないかと、
幾つかの大手出版社に働きかけをしたのだが、
大型本で全頁カラーの書物。
ほんとうに売れないんだそうだ、こういう本は・・・。


でも何とか日本語版を出したい・・・・。


結局、自らの会社――小さな映像製作会社=プロダクション・エイシアで出版し、
納得の行く翻訳と編集をする決断をした。
大型本のままではやはり多くの人の手に伝えるのは難しいと判断し、
四六版横サイズに変更。
フリーで編集をしている大学時代からの友人や、
映画製作を通して出会ったデザイナーにスタッフに加わってもらい、再編集。
フィンランドの著者たちとも頻繁に連絡を取り合いながら、
オリジナル本の本質を凝縮した新たな書物づくりを目指した。


こうして完成した書物、『フィンランド・森の精霊と旅をする』


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


先週末に印刷工場から納品され、一昨日、「取次」に納めた。
「取次」とは、いわば本の問屋さん。
これから読者の方々のもとへと送られていくと思うと、とても楽しみだ。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


出版は本当に初めて。
最初は「取次」という存在のことも知らず、
友人に教えてもらったり、ネットで調べたり。
素人の僕にとっては、勉強する中で、
トーハン、日販という巨大な取次会社の存在にも驚いたりもした。
でも実績のない僕たちが、こうした大手の取次店と契約をしてもらえる可能性は
ほぼ「ゼロ」だということもわかってきた。
そんな中、JRC(人文・社会科学書流通センター)という
後発の小さな取次の存在を知り、
社長の後藤さんとお会いして話しをするなかで
「この人と一緒に仕事をしたい」と思い、契約をさせていただくことにした。
後藤さんの考え方の根っこにあるのは、
小さくて後発の取次と版元が、ともに共存共栄をめざしていく、
そのためには書店に対して返品制限を設けないで気楽に書籍を置いてもらうようにする、
ただし見計らい配本のように大量にばらまくのではなく
書店の手ごたえを量りながら納品をしていく・・・。


正直に言うと、この本が配本してもらえるのは、
首都圏の大型書店だけだろう。
その他の多くの書店へは、
書店さんが「よし、扱ってみよう」と決断して注文してくれない限り
流れて行かないと思う。
たぶん「アマゾン」にはいつか表示されるはず。
bk1には表示されるようになった。


限界はある。
でも、この本を買いたいと思った人が、全国どこの書店からでも、
注文しさえすれば、入手できる。
それだけでも、大きな進歩だ。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


もうひとつ、図書館への流通も大事にしたいと考えた。
発行する本の公共的な価値については自信があるし、
まずは図書館で多くの人の目に触れられる機会も得たいと思った。
そこで図書館流通センターにも連絡をし、
直接の取引をしていただくことにした。


皆さんが、地元の図書館にリクエストをしてもらえれば、
きっと手に取ることができるはずだ。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


さあ、果たしてこれからどうなって行くのだろう?
ここまで来るまでの間に、
「無謀だ!」「やめた方がいい」
と心配してくれる友人たちもいた。
不安もある。
だけど、「世に出せる」という喜びがそれをはるかに上回っている。
良いものは時間をかければ絶対に伝わっていく、
そう信じているし、そのために必要な努力もしていくつもりだ。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


先日まで、フィンランドから著者の2人の女性写真家が
徳島県の山村に来ていた。
そのときの報告も、いつかしたいと思っている。

2009年5月14日

フィンランドの本 刊行記念イベント

吉祥寺にある北欧カフェ「Moi」で、
5月27日に
『フィンランド・森の精霊と旅をする』
の刊行記念イベントを行います。


詳しくは、こちらを。
http://moicafe.blog61.fc2.com/

2009年5月15日

丸善に


「フィンランド・森の精霊と旅をする」の監修をしてくれた
上山美保子さんから、うれしい連絡があった。


     「昨晩、フィンランド語の講座があり、
      出かけたところ、
      受講生の一人が友だちにプレゼントしてもらったと
      本を持って来ていました。
      職場のそばの丸善@オアゾで見つけた・・・とのこと。
      嬉しかったので、お知らせします」


見知らぬ方が、書店で偶然にも、この本を手にしてくれたんだ!!
そう思うと、嬉しくて、嬉しくて。
出版したという実感が沸いて来る。


ちなみに、「丸善@オアゾ」とは、丸善の丸の内本店のこと。
取次のJRC後藤社長によると、
丸善は、本店にはJRCから本が配本されるが、
その他の支店には黙っていたら配本されないので、
営業をした方がいいとのことだった。
がんばらなくては・・・・。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇


上山さんは、フィンランド政府機関(技術庁)に勤務しながら、
東京都内でフィンランド語の講座を持ち、教えてもいる。
さまざまな翻訳も行っていて、
ハンヌ・マケラ著の童話「フーさん」は
僕の次女のお気に入りの本のひとつ。


上山美保子さんのブログは、ここ。
http://bluecross.seesaa.net/
フィンランドの本や映画、料理などの世界が
ゆったりとつづられている。

2009年5月16日

丸善 (続報)

丸善の丸の内本店で、本を買ってくれた人のエピソードを
きのう書いた。

きょう、丸善の、日本橋店、ラゾーナ川崎店(神奈川)、名古屋栄店(愛知)でも
店頭に置いてくれていることが分かった。

   ⇒丸善インフォメーション


昨年9月になるかなぁ、
この本の翻訳をおおまかに終えて、
どういう日本語版を作るかの打合せを
丸善の日本橋店3階のカフェで行ったのを思い出す。
この地がハヤシライス発祥の地とのことで、
編集の大西さん、デザイナーの市川さんがおいしそうに食べていた。
なつかしい。


*丸善の本店以外に本を置いていただけたのは、
 僕の営業の結果ではなく、
 JRCの方々や、お店の方々の判断、
 そして実際に買ってくださった人がいたからだろう。
 ありがとうございます。

2009年5月17日

久しぶりの友


昨晩遅くから、大学以来の親友、岡田眞人君を訪ねた。
僕を、民俗学や文化人類学へと引き込んだ男で、
いまは東京の小平市で福祉作業所「おだまき」の所長をしながら
地域づくりに取り組んでいる。


彼と出会わなかったら、僕は今のような映像記録の仕事もしていなかったろうし、
フィンランドの本をつくることもなかっただろう。
御礼の気持ちをこめて、一冊プレゼントをした。


書店への流通が難しいんだ、という話をしたら、
奥さんの喜代美さんが、
  「私、子どもの頃から木が大好きだったんだ」
と言いながら、ページをめくり、じっくり読んでくれた。
  「写真がほんとうに素敵ね。
   いいじゃない、こんな魅力的な本、
   本屋さんだけで売るのはもったいない、
   カフェとか雑貨屋さんの方が、
   きっとこの本を大事にしてくれる人との出会いの場所になるわよ」


そう言われて、とても気持ちが軽くなった。
眞人君が知人からもらったという「越乃寒梅」を一緒に飲み干し、
真夜中の武蔵野の道を、家に向かって自転車をこいだ。

2009年5月18日

「風の本屋」さん (大阪)


大阪で7月5日(日)に「ひめゆり」を上映してくださる実行委員のお一人、
村岡正司さんから、嬉しい便り。


   「大阪上映会実行委員の「風の本屋」さん、こちらは、
    そういう「いい本」ばかりセレクトして置いているお店です。
    ちょうどここで(「ひめゆり」の)大阪上映会の前売り券を販売するので、
    あわせて置いてもらってはどうですか。

    きょう、ひめゆりのチラシをビジュアルアーツに取りに行き、
    そのあと、風本まで持っていく予定です。そのときちょっと
    話をしておきます。」


その後、「風の本屋」さんと連絡を取り、
「フィンランド・森の精霊と旅をする」を置いていただけることになった。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇

「風の本屋」さんのホームページより


    「土曜日は風の本屋へ行きましょう 
     日曜日はからだを休める日 土曜日はこころを休める日 
     本屋に行くのは仕事とちがう けれどもまるきり遊びでもない 
     ゆとり心を豊かに充たす 楽しさと有益とが混じり合った 生活の弁証法の世界 
     ターミナルの巨大書店には本と人とが押し合いへし合い大きすぎて疲れる 
     といってマンガと週刊誌だけの金太郎書店でも困るしね 
     風の本屋は絵本天国 子どももおとなも心洗われる童話の森 
     教育基本法のスジの通った教育書 明日へ働く民主的人文社会科学の本 
     土曜日は風の本屋へ来てください 
     おしゃべりもひと時、本だけではない人間臭い本屋へ。」

        (あ、この文章、無断転載禁止かしら? いいですか、風本さま?)


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇

行ってみたいな、こんな「人間臭い本屋」さん!


村岡さんは、大阪ボランティア協会が発行する雑誌、
「ウォロ(VOLO))」の編集委員。
とてもしっかりとした誌面づくりをする傍ら、
取材を通して知り合ったいろいろな人たちをつないでネットワークを作っている、
「市民プロデューサー」ともいうべき人。

2009年5月20日

ATP


きょうは、普段はめったに足を運ばない赤坂へ。
ATP、全日本テレビ番組製作者連盟の会合があった。
テレビ界にいる人なら誰でも知っている権威ある組織で、
正直言うと、僕の会社(プロダクション・エイシア)は
ATPの会員になれるような規模ではないのだけど、
昨年、理事の方から強く請われて会員社となった。
映像製作者として、連帯しながら、
よりよい社会を作っていこうという場だ。


最近、外を歩くときは、必ずカバンにフィンランドの本を入れ
営業マンとなっている僕。
名だたる映像製作会社の社長さんたちにも買っていただけた。


確かに、景気は本当に悪いし、各社みんな大きなジレンマを抱えている。
テレビに未来はあるのか、そんな問いもあった。
僕は映像の未来を信じているし、そのための努力もしたい。
うまく行くか分からないけど、
色んな方々に助けられながら、
いま、新たな国際共同制作の枠組みへの参加を試みている。

2009年5月25日

旅の本屋 のまど


東京・西荻窪にある「旅の本屋 のまど」。
ここでも、きょうから、「フィンランド・森の精霊と旅をする」を
扱ってくださることになった。
実は、ここは富士さんのお気に入りの本屋さんのひとつだ。


のまどには、「旅」をキーワードに、
店長の川田さん自らが厳選した本を揃えている。
ゆったりしたスペースに、椅子も置かれ、
お客さんは急かされることなく、
ゆっくりと心の旅にふけりながら、本を選ぶことができる。
「フィンランド・森の精霊と旅をする」という本にとっても
幸せな場所のひとつだろう。


~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇

●以下は、旅の本屋 のまど HPより

      海外では、街なかに普通の本屋さんに混じって
      「旅の本屋」が点在している風景をよく見かけます。

      旅好きな人たちが、旅に出る前や、旅の途中、旅の後などに
      そういった「旅の本屋」で旅への想いにふけり、
      心豊かに店を後にする、
      そんな文化・習慣が海外では日常生活に根付いています。
      また、そういう「場所」を大事に育んでいるのです。

      ところが、日本ではなぜかそういった「旅の本屋」は
      ほとんど存在しませんし、
      そういった「場所」もないのが現状です。

      「旅の本屋のまど」は、そんな日本人の旅の現状を
      少しでも変えたいという想いから誕生しました。

      現在、当店では「旅」というキーワードを
      お店の大きなコンセプトにすえて、
      大きく2つの点を特徴に品揃えを心掛けています。

      まず、新刊本、古本を区別することなく
      同じジャンル、同じ作家の棚に並べています。
      また、文庫、単行本といった分け方もしていません。
      これは「旅」をテーマに棚を作る際に、
      従来の「新刊」「古本」といった分け方は
      棚作りのさまたげになると考えました。
      そこで、当店では新刊本の隣に古本が並ぶといった
      ユニークな棚になっています。

      また、本のセレクトに関しては
      「旅の本屋」だからといって
      ガイドブックや地図、旅行記といった本だけに
      限定していません。
      一見「旅」とは無関係にみえる文学や音楽、映画、思想、
      料理、スポーツ、政治、宗教なども
      どこかで「旅」と関連しています。

      そこで、当店ではさまざまなジャンルから
      「旅」を感じさせてくれる本をセレクトし、
      「旅」への好奇心を抱けるような陳列、展示を心掛けています。

      「のまど」とは、英語で「遊牧民」という意味です。
      当店も「遊牧民」のように何にも束縛されることなく
      自由な発想で品揃えをし、
      皆様に楽しんでいただけるような「旅の本屋」になれればと考えています。

(以上、旅の本屋 のまど HPより)

2009年5月28日

カフェ moi 〔モイ〕 


昨晩は、東京・吉祥寺にある 北欧カフェ moi〔モイ〕 で
「フィンランド・森の精霊と旅をする」の刊行記念イベント。
マスターの岩間洋介さんと、本の監修の上山美保子さんが企画して
実現してくださった。


カフェmoi


集まってくださったのは
素敵な女性たちばかり。
皆さんの嬉しそうな表情が
これからの僕たちにの
かてとなる。

この本を作ってよかった・・・・。

カフェmoi

映画「ひめゆり」の上映スタッフでもあり、
この本の販売も担当してくれているスタッフの富士さんの言葉。


      今まで映画の広報をしてきた時に、
      誰が、どこで、どのように上映をするかで
      映画がどのように伝わっていくかが違うのだなと感じてきました。


      本も、誰が、どのように売っていただくか、
      つまり、その人の手に渡るまでのプロセスを大切にすれば
      きっと、本を買われた方が本と過ごす時間も
      よいものになると思います。
      そういった時間を渡すという意識を持って行ったら
      素敵なのではないかと
      昨日のイベントを通して感じました。


      フィンランドの森の土は、何前年、何万年そこにあって、
      ゆっくりと呼吸をしてきたと思います。
      そこに生きてきた森の木も動物も人間も
      きっとその呼吸に沿って生きてきたと思います。
      そのような呼吸、そこに流れている時間を意識しながら
      本を広げていくことが出来ればと願います。
                        (富士海さんのコメントより)

~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇  ~  ◆  ~  ◇

「フィンランド・森の精霊と旅をする」は、今後
北欧カフェ moi [モイ] でも発売していただきます。
まだご覧になっていない方は、
カフェでゆっくり飲み物を楽しみながら
本を手にとって、確かめてみてください。

2009年6月 1日

木との思い出


先週のmoiでの刊行記念イベントに
来てくださった方から、お便りをいただいた。


     「精霊、木と人の関係で思いだしたこと。
      私の家では、子供たちは小学校に入学するときに
      自分の木を買ってもらい(木は自分で選んで)
      庭に植えます。
      私は杏の木を植えました。
      なかなか大きくならなかったのですが、
      20年目にようやくたくさんの実をつけてくれました。
      小さいころから、木に話しかけたりしていて、
      ホントに自分の分身のようでした」


木は自分の分身 ――― フィンランドの人と同じ感覚・・・。
人と生きものとのつながり、
深い水脈にのびる根と根がつながるような、
何かなつかしいような感じがします。


これを読んでいる方の中にも、
そんな思い出の木、「分身の木」を持っている人は、いますか?

2009年6月 5日

紀伊國屋

出版をした版元としては、なんとも情けない話ではあるが、
「フィンランド・森の精霊と旅をする」
ようやく、紀伊國屋書店にも配本された。

平積みで!!
   ↓
紀伊国屋
この写真は、
僕の18歳の頃からの親友Sayakaの友人が
紀伊国屋新宿南口店で偶然発見し、
撮ってくれたもの。
知らせてくれて、ありがとう。


どんな方が、手にしてくれるのだろう・・・・


森の奥深くのスピリットを扱ったこの本が、
こうして大都会の中心の、
人目に触れるところに堂々とあると
なんか気恥ずかしいような、
不思議な感じがする。

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