長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」 トップ頁へ
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2007年8月15日、16日 新宿区四谷区民ホール

報告 特別上映会 「ひめゆりの風」

 ~Cocco・柴田監督・元ひめゆり学徒と共に~
みんなで観よう 映画『ひめゆり』


トーク5

若い人が来てくれるわけではない
重たいし、怖い、2時間たえられない

柴田:この映画で語ってもらうまでにはすごい時間がかかって、ようやく「じゃあ話そう」ということでカメラの前に立ってもらったんです。みなさんどうでしたか。映画をご覧になって。

Coccoさんは、去年の11月に「想い事。」(毎日新聞の連載コラム)という文章の中で、こんな映画があるんだよ、という事で書いて応援をしてくれているんですけれど、映画館で劇場公開をしても、そんなに若い人が来てくれるわけではなかったんです。特に沖縄でやったとき若い人がほとんどいなかったんです。 それで、どうしてかな、と考えていました。今日のイベントのボランティアの子たち、“ひめゆりの風のそよ風、つむじ風”と呼んでいるんですけれども、彼女たちからいろんなメールをもらうんです。今日手伝ってくださった人もいますし、今日来られなかったいろいろな人たちがいます。その人たちに相談をしてみると、「こういうテーマって重たいし、怖いんではないか。特に映画として観るのは怖くて、2時間耐えられないのではないか、という思いで観に来れないんだという友達が多い」と聞いた。

でも何とかひめゆりの皆さんのメッセージを届けたいと思い、Coccoさんに相談したんです。 今日これだけ若い人たちばかりこんなにたくさん来てくれたのはCoccoさんの力が強いな、Coccoさんのおかげだなと思っているんですが。どうですかCoccoさん、今日みなさん来てくれて。

罪悪感を感じないでほしい
今を逃したら、チャンスもうない

Cocco:ピンと来なくて当たり前と思うわけ。
いつか、何かが繋がってから理解できる時がくるかもしれない。

さっきも映画観ながらまわりを見たら若い人がいっぱいいた。
やっぱりみんな怖いって言って、それが一番の原因で、だけど、いつも言ってるんだけど、
みんなの中で、観てもピンと来ない人もいるかもしれないし。
ひめゆり資料館に行って話しを聞いてもわからない、
ピンと来ない人もいっぱいいると思う。
その事に対して、「ピンと来なかったからごめんなさい」という手紙が来よった。
だけど、ピンと来なくて当たり前と思うわけよ。あんな経験なんて、
してない人は絶対わからないわけだし、だからピンと来ないことの罪悪感を感じないで欲しい。

ただそういう事実を知っていてほしいということ、知るべきということ、
それがCoccoたちの義務だから。
知ることで、いつか、何かが繋がってから理解できる時がくるかもしれないし。
「あっ」と繋がってピンとくる時があるかもしれないけど、 知らなかったらそれはずっとないことだから。

今、わからなくても、今、怖いと思っても、今よ、今、若い人が知るべきなわけ。
今、わからなくても、今、怖いと思っても、今、避けようと思っても・・・。
今日観て帰るときにカラオケに行って楽しんで、
今日のことは忘れて寝よう、って思ってもいいわけ。
ただ、知ることだけさ。今よ、今、若い人が知るべきなわけ。
知ってから、いつでもいいわけ思い出すのは。

ただ、知っていて欲しい。まだって言ったら失礼だけど、
まだ、生きているうちに、こんなにしてまだ触れる人が教えてくれることが一杯あるわけよ。
(隣の島袋さんに触れながら)

その教えを、今を逃したらチャンス、もうないわけ。こんなにしてさわれるうちに、
一杯触ってから、一杯触れるうちに感じておかないと、
Coccoたちが次に伝えられる事がないと思うわけ。

しゃべる勇気に比べたら
観る勇気なんて鼻くそなわけ

Cocco:みんなもし、まだ怖いとか、みんなの友達もまだ、
怖いと言ってるかもしれないけど、だけどそれは何十年もしゃべれないで、
やっとしゃべれるようになってくれた(ひめゆりの)人たちに対して、
とっても失礼だと思うわけ。しゃべる勇気に比べたら、観る勇気なんて鼻くそなわけさ。

それをみんなにわかって欲しい。どれだけの想いでしゃべってくれているのか。
どれだけの想いでここまで来てくれたかということを。
自分たちなんてまだまだ何にもわかっていないということを、
いつも肝に銘じていてほしいし、こうやって(お二人が)来てくれたことにCoccoも含めてみんなで感謝したいと思う。


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